協会理事あいさつ(2021年)

【新しい生活様式でのお正月】
~伝統文化の継承に本当に必要なものとは?~

2020年は、新型コロナの影響で、世の中が劇的に変わった一年でした。そして、2021年のお正月は、コロナ禍で迎える初めてのお正月となります。

初詣の分散化や、参拝方法の変化など、新しい生活様式でのお正月の過ごし方が求められている、大きな時代の転換点となっています。

しかし、このような状況下で、忘れてはならないこと、それは「温故知新」と「本質の見極め」ではないかと、私は考えるのです。

「温故知新」と「懐古」との違い

私は「温故知新」という考え方を、とても大事にしています。
温故知新とは、Weblio国語辞典によれば、「過去にあったことをよく調べ、学び、そうして得られた知見を活かして新たな知識を得るということ」とされています。

そして、それと比較した「懐古」という考え方を伝統文化の継承に持ち込むことに、否定的です。懐古とは、Weblio国語辞典によれば、「昔のことをなつかしく思うこと」とされています。

これらの違いは、「昔のものを新しくして残す」のか、「昔のものを古いまま残す」のかの違いと考えます。

継承すべきは「本質」であって「形式」でない

古い日本の文化やルール、それを成立させるのに必要なものは何か?
それは「形式や様式」ではなく、その根底にある「本質」ではないかと、私は考えます。
そして、必ずしも本質的でない部分は、現代的な感覚に適した、新しいカタチを追求していくべきだと考えます。

例えば、獅子舞。

世の中には、「獅子舞をかわいくすれば流行るのではないか?」という意見があったりもします。
しかし、獅子舞には、「恐い顔をしていることにより、災いを寄せ付けなくする」という意味があります。
「恐い顔をしていることにより、災いを寄せ付けなくする」、この部分は、獅子舞が獅子舞であるための「本質」です。怖さを失えば、獅子舞は獅子舞でいられなくなってしまいます。
かわいくすることによって、「獅子舞」という「名前」や「カタチ」、「形式や様式」が受け継がれたとしても、「獅子舞がなぜ存在するのか?」という本質が失われてしまいます。そうなってしまえば、たとえ名前が「獅子舞」であったとしても、文化が失われたに等しいものです。

「ヤマンバギャル×獅子舞」なら、あってもいい。

一方で、例えば、怖くて、かわいくて、現代的なものとして「ヤマンバギャル」というファッションスタイルが、近代の日本で流行ったりしました。
独特なファッションスタイルで、本人たちにとってはかわいいものの一つであったかもしれませんが、世間一般には、怖くて、近寄りがたい存在でもありました。

もしも、ヤマンバギャルのような獅子舞を生み出すことができるならば、「怖い」、「かわいい」、「近寄りがたい」、そんな存在になるでしょう。それは、獅子舞の本質的な部分である「恐い顔をしていることにより、災いを寄せ付けなくする」という部分を継承しながらも、現代人の感性に合った、新しいカタチの「獅子舞」になってゆくことができるかもしれません。

このように、「その伝統文化にとって本当に必要なものは何か?」という「本質的な部分」を徹底的に精査する。そして、本質的な部分を残しつつも、現代人の感性に合った、カタチに、変えていく。

本当にあるべき「伝統文化継承の方法」とは、「古いものをただ古いまま残す」という「懐古的な発想」ではなく、「本質的な部分を見極めながら、新しいカタチを求めていく」という「温故知新の発想」ではないかと、私は考えるのです。

新しい生活様式によって失われるものが「本質」でなければそれでよい

一見して、コロナ禍の新しい生活様式によって、我々日本人がなじんできた文化が、失われてしまうようにも、感じられることでしょう。しかし、失われるものは「形式や様式」でしょうか?それとも「本質」でしょうか?

単に「形式や様式」が変わるだけで、「本質」を受け継いでいるならば、我々日本人は、先人たちが築き上げた文化を、たしかに継承していると、言えるはずなのです。

お正月は、その年の「五穀豊穣」や、「無病息災」を、みんなで願うタイミングでもあります。

「初詣にみんなでそろっていくこと」これは「形式や様式」です。
「初詣にみんなでいかないこと」これはコロナ禍で「密集して初詣にいくこと」が、「無病息災とは反対の、病魔や災いを招く行為」とわかっている現代人が、「無病息災」を願う「新しいお正月の姿」として、正しいことなのです。ですから、一見して文化が失われたように感じられたとしても、嘆く必要も、悲しむ必要もありません。我々日本人は確かに先人の文化を受け継いでいると言えるはずなのです。

どうか、2021年の新しいお正月を、皆さまが安心して迎えていただき、新型コロナという災いの収まる一年となりますことを、切に願います。

2020年12月16日 日本正月協会 総理事長 今成優太

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協会理事について

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日本正月協会のこれから

2018年に活動を開始して依頼、様々なご依頼やご要望をいただいてまいりましたが、なかなか実りを迎えることのできなかった日本正月協会。しかし、2020年末にきて、ようやく様々な形で実りを迎え始めました。

今後はこの流れを更に拡大すべく、以下のように各種の取り組みをしてまいります。

協会員募集により、組織力強化

 現在、お正月と関連の深い様々な実績をお持ちの識者の方や、大学関係者などにお声がけし、協会の組織力強化を図っております。

 様々な方々との協力関係の中で、日本のお正月をより大きな、より魅力的な文化として、世界や後世に伝えていきます。

 「我こそは!」との意欲をお持ちの方など、自薦・他薦も受け付けております。お問い合わせフォームよりご連絡ください。

お問合せフォームへ

メディア各社様のご依頼・ご要望に応え、発信力・認知度強化

 メディア各社様から、伝統文化の監修などをご依頼いただく機会が増えました。日本正月協会の認知度が高まるとともに、お正月の文化を発信する機会をいただけることは、大変喜ばしく思います。

 今後の対応は、収益性と発信力強化のバランスを考え、一部を無料とさせていただき、こちらのページに規定として取りまとめております。メディア各社の皆さまに置かれましては、規定のページをご覧いただき、日本のお正月の発展にご協力いただければ幸いです。

メディア対応規定へ

販売部の商品拡充により、収益力強化

 日本正月協会の販売部門であるショッピングサイトは、本格開始してからしばらく立ちますが、なかなか収益化の目処が立っていません。

 これには「認知度不足」や「商品力不足」など、諸問題があると思いますが、魅力的な品揃えをし、事業を軌道に乗せていきたいと考えます。

日本正月協会販売部はこちら

コロナ禍での正月の殿堂プロジェクト継続

 日本一の正月県を決定する「正月の殿堂プロジェクト」。日本正月協会としての調査活動を兼ねている同プロジェクトですが、コロナ禍にあって、開催が危ぶまれておりました。特に、緊急事態制限の発出された場合、県をまたぐ移動が社会的に推奨されるべきものでなくなってしまうため、「公共の利益」を考える日本正月協会としては他県の調査ができず、実質的に開催が不可能となっていたことと思います。

 しかし、「GoToキャンペーンの一時停止」という措置に留まったことで、感染症対策や人との接触を避けるよう行動することによって、開催可能となったことを喜ばしく思います。したがいまして、2021年以降も、正月の殿堂プロジェクトを継続してまいります。

正月の殿堂プロジェクトのページ

正月県を中心とした行政機関との関係強化

 正月の殿堂プロジェクトにおいて、正月県として選定した都道府県の魅力を、その後、日本正月協会の総力を上げて発信していくことにより、「正月県の魅力」と「お正月の魅力」を同時に伝えることとなっております。

 これにより、正月県は大きなメリットを享受できます。そのため、2020年の正月県として選定させていただいた山梨県の県庁を中心に、各行政機関との関係強化を図ることで、より大きな力としていくべく、2020年も様々な施策をおこなってまいりました。2021年以降も、更にこの流れを加速してまいりたいと考えます。

協会理事長のこれから

縁起物デザイナーとしての活動を本格化

グラフィックデザイナーとしての長年の実績を持つ協会総理事長 今成でしたが、ここ数年来は、日本正月協会総理事長として、また、YouTuberミスターお正月としての活動に注力してきたため、グラフィックデザイナーとしての活動は、非常に限定的でなものでありました。

今後も、一般的なグラフィックデザイナーとしての活動は限定的なものとする一方、日本正月協会の活動との相互作用をねらい、「縁起物デザイナー」としての活動をおこなっていきます。

例えば、今成は、上記挨拶文の「ヤマンバギャル×獅子舞」のように、古いものを古いままただ残す「懐古」を良しとはせず、「温故知新」を良しとする考えを持っています。これを具体的なものとしていくためには、「伝統文化に対する深遠な知識」と「創造性・クリエイティビティ」を併せ持つ必要があります。

このようなスキルのある人材は、そう簡単に現れるものではございません。「まずは自分から」の意欲のもと、より創造的なお正月のあり方を求め、デザイナーとして伝統文化に磨きをかけていきたいと考えています。

これだけではありません

さらに、ここではまだお話できない様々な取り組みをおこなってまいります。ぜひ、日本正月協会の今後にご注目ください。

更新履歴

  • 2020年12月16日 2021年分に変更
  • 2019年01月01日 2019年分を公開

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