【関西のお雑煮】日本正月協会のオススメは「奈良県大和地域のきなこ雑煮」~香川あんもち雑煮、福岡蒸し雑煮も食レポ~

代表的なお正月料理の一つ、「お雑煮」。

私たち日本正月協会は、日本全国各地のお正月料理を調査しており、地域ごとに様々なお雑煮が存在していることを確認しています。

こちらの記事では、その中でも「関西のお雑煮」にスポットを当てて、ご紹介していきたいと思います。

奈良県のきなこ雑煮
奈良県のきなこ雑煮。もちをきなこにディップして食べるのが特徴。

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お雑煮の関西事情

まずはじめに、西日本にはどのようなお雑煮があるのか、ピックアップして一覧で見ていきましょう。

関西のお雑煮

都道府県名お雑煮の名前
滋賀県八つ頭白味噌雑煮
京都府白味噌雑煮
大阪府あきない雑煮
兵庫県焼きアナゴ雑煮
奈良県奈良のきなこ雑煮
和歌山県白味噌真菜雑煮
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中国地方のお雑煮

都道府県名お雑煮の名前
鳥取県小豆雑煮
島根県石見鮎岩海苔雑煮
岡山県スルメブリ雑煮
広島県牡蠣雑煮
山口県かぶ雑煮

四国のお雑煮

都道府県名お雑煮の名前
徳島県徳島白味噌雑煮
香川県白味噌あん餅雑煮
愛媛県今治アナゴ雑煮
高知県大丸雑煮
もち・おせち・門松・しめかざり・正月行事・47都道府県のお正月 YouTuberミスターお正月

九州のお雑煮一覧

都道府県名お雑煮の名前
福岡県博多のブリ雑煮
佐賀県れんこん雑煮
長崎県島原具雑煮
熊本県納豆雑煮
大分県すましあん餅雑煮
宮崎県豆もやし雑煮
鹿児島県焼き海老雑煮

※いずれも書籍「お雑煮マニアックス」より抜粋

※多数ある中から一部を抜粋したのみであり、これらがその都道府県の中の代表的なお雑煮、というわけではありません。

QUOカード当たります

沖縄県のお雑煮は?

沖縄県は歴史的に見て、「琉球王国」の流れを受け継ぐ特別な地域であり、「正月にお雑煮を食べる」という文化そのものが育ってきていないようです。

その代わり沖縄県では、豚を使った中味汁(中味汁)が、正月に食べられることで知られています。

お雑煮ダイバーシティ県、広島。~広島県では14種類ものお雑煮の存在が確認されている。~

日本正月協会のこれまでの調査において、最もお雑煮の多様性に富んだ地域は「広島県」です。なんと14種類ものお雑煮が、一つの書籍の中で紹介されていました。

ハマグリ雑煮

ウップル雑煮

アナゴ雑煮

カキ雑煮

干しフグ雑煮

干しアユ雑煮

里芋雑煮

アゲハン雑煮

うどん雑煮

なば雑煮

かぶ雑煮

雪消し

小豆雑煮

煮込み雑煮

「広島の歳時習俗と食事」より

地域の差だけではなく、食べるタイミングも違うようです。

日本正月協会がこれまで発見した中では、広島県は最もお雑煮ダイバーシティ(多様性)に富んだ地域と言えるでしょう。

干支×星座うらない

日本を代表する関西のお雑煮は、奈良県のきなこ雑煮。

日本正月協会の発行する広報誌「月刊お正月18号」の中で、「日本を代表するお雑煮」として紹介させていただいたのは、奈良県の「きなこ雑煮」です。なぜ、これが日本代表の味なのか?それは、「もちを汁から取り出して、きなこにディップさせて食べる」という点が、お箸を使わない文化圏の方々に向けた進化の可能性を持っているからです。詳細については、月刊お正月18号をご覧ください。

奈良県きなこ雑煮食レポ

以下は、日本正月協会代表が、奈良のお雑煮をいただいた折に綴った食レポです。


奈良県のきなこ雑煮

奈良県の旅籠(はたご)長谷川さん。
普段は民宿としても営業されているなか、1月~3月の期間に限り、前日までに予約すれば、奈良のお雑煮「きなこ雑煮」を食べさせてくれる。

私がうかがった2月10日、風情あるお店の玄関口には、しめ飾りが飾られていた。のちに聞いた話によると、一年中しめ飾りを飾る三重県の伊勢に、店長がゆかりが深いために、みならってそのようにしているとのことだった。
予約通りの時間に私がうかがうと、すぐにお雑煮を提供してくれた。箸にはお正月に使う箸である「孕み箸」が使われていた。
その他にも、店内には杵と臼が飾られているなど、随所に「日本の伝統的なお正月」を感じられる点が、このお店の一つのポイントだろう。

きなこ雑煮は、白味噌ベースのお雑煮からもちを取り出して、きなこにディップして食べるお雑煮。
ディップして食べる食べ物には、チーズフォンデュやポテトにケチャップをつける食べ方など、さまざまなものがあるが、食事の楽しさを演出する一つの方法として知られている。
では、果たして、雑煮のもちをきなこにディップして、一体どうなるのだろうか?食べる前、私は大いに疑問に感じていた。スープに混ぜればいいのでは?単にきな粉もちとして食べればいいのでは?わざわざ汁からもちをすくい上げる理由がよくわからなかった。

出されたお雑煮のふたをあけると、外はカリカリ、汁につかった部分はとろとろ。さっそく汁からもちを取り出して、ディップして食べてみる。

「おいしい!これだ!」と思った。

「濃い日本のエキスが凝縮された味」だ。
天下一品のラーメンをはじめて食べた時のようなインパクト。
きなこの強い風味と、白味噌の汁、そして気の利いたがダシが組みあわさって、強いパンチのある味に仕上がっている。

白味噌の汁がそもそも濃くて強い主張がある。
そこに、炒りたてなのか、特別に強い風味の芳ばしいきなこが加わる。
激しい主張のある両者がもちと一体となって織り成すコラボレーション。

なぜ、はじめから汁にきなこを加えないのか、よくわかった。汁として、濃くなりすぎるからだ。
この味のインパクトは、汁としてすすり続けるにはふさわしくない。

食べる直前にきなこをつけることで、きなこの風味がまたたく最高の一瞬を、つかみとることができる。
そこが、このお雑煮の、キモなのだ。

味のバランス、ディップする楽しさ。
そして日本の伝統的なおいしいがつまった一皿を、皆様もお召し上がりになってはいかがだろうか?

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珍しいお雑煮として名高い、香川県の「あんもち雑煮」

香川県のあんもち雑煮は、珍しいお雑煮として有名です。以下は、日本正月協会代表が、奈良のお雑煮をいただいた折に綴った食レポです。

2021年1月某日。

高松市内の繁華街にあるぶどうの木。私はセットであんもち雑煮を注文した。ご飯に対する汁物として、雑煮が存在していることにまず驚かされた。私の生家では、雑煮はメインディッシュで、主食は雑煮の中にあるもち、との扱いだからだ。

それはさておき雑煮をいただく。
「汁物としての扱いだから」と、薄い口触りのスープを想像していたが、私の予想は瞬く間に覆された。チーズやコーンポタージュを連想させる濃厚な汁。もちと溶け合っているせいもあってか、ドロリと絡み付くようなとろみがかった汁であった。

この汁があんもちと融合すると、どんなハーモニーを奏でるのか?期待を胸に餅を噛む。しかし、一口目では、あんには届かなかった。
二口目でようやくあんに届く。口いっぱいにあんの甘みが広がる。

あんの甘さと、チーズのように濃い汁。全く異なる強い主張を持つ両者。これだけでは、全くちぐはぐな方向を向いているように感じられるが、この両者の仲を取り持っているのが、青のりの風味だ。ほんのわずかな磯の風味が、バラバラの方向を向いていたあんもちと白味噌の汁をまとめあげ、一つの料理として完成させているのだ。

あんこの入っていない餅ならば、汁の濃厚さに負けて存在すら忘れてしまうだろう。
この料理は、あんと白味噌の奏でるハーモニーがキモ。もちがパッケージとなって、あんこをあんこのまま白味噌の中に送り届けることで、両者の存在感を消すことなく、際立たせる。そんな料理として完成されているのだ。

子どもに自信をつけるには?

福岡県の蒸し雑煮

福岡県には蒸し雑煮というのがあります。以下は、日本正月協会代表が、福岡県のお雑煮をいただいた折に綴った食レポです。

蒸し雑煮をいただく。

私はおそばセットで注文し、
先におそばを食べ終えたため、
ザルやお椀などはお盆ごと引き上げられたが、
その時「もちを箸で食べるように」と
箸だけを残された。

それと入れ替わるように届く、蒸し雑煮。

口に入れた瞬間、豊かなダシが口に広がる、濃厚な茶碗蒸し。
たぶん鶏ダシなんだけど、
それだけではないような複雑さも感じる。
それほどに薫り高い。

具のお野菜は、シャキシャキと歯ごたえを残しており、
茶碗蒸しののどごしのよさとのコントラストが実に楽しい。

そして肝心の「おもち」。
もちは丸餅。
茶碗蒸しの器の奥の方に、
収まりよく隠れており、
出番を待つ主役が鎮座しているかのようであった。

箸で取り出すと、周りのダシと程よく溶け合い、
柔らかすぎず、かたすぎず、
おもちの一番おいしい瞬間が、
お出迎えをする。

そして、口に含むと、
ダシを含んで豊かになったおもちが
口の中で濃厚に絡みつく。

今まで体験したことのないお雑煮体験、
あなたもぜひ体験してみてはいかがだろうか?

お雑煮関西事情まとめ

日本正月協会のこれまでの調査でも、様々なお雑煮があることを確認していますが、誰もが平等に興味・関心を持っているわけではありません。広島県のように様々なお雑煮の種類がある地域もあれば、沖縄のようにお雑煮という文化そのものが存在していない地域もあります。

その地域ごとの特徴こそが「日本文化の多様性」であり、尊重していくべきことだと考えます。

この記事を書いた日本正月協会とは?

日本正月協会ロゴ

わたしたち日本正月協会は、正月行事、正月料理、正月遊び、正月飾りなど、お正月の文化を研究し、継承・発展させる団体です。代表者である今成優太を筆頭に、日本全国47都道府県を訪問しながら調査活動をおこなっています。

また、2022年ドバイ万博や、2025年大阪・関西万博など、海外に向け日本の伝統文化としてのお正月の魅力の発信にも注力しています。

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お雑煮の関西事情 変更履歴

  • 2021年11月20日 推敲・写真追加
  • 2021年06月03日 香川あんもち雑煮、福岡県の蒸し雑煮を加筆
  • 2021年05月30日 福岡県の蒸し雑煮を加筆
  • 2021年05月27日 広島県のお雑煮を加筆
  • 2021年05月26日 加筆修正
  • 2021年05月15日 写真を追加
  • 2021年05月12日 初稿公開

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