正月飾りはいつまで飾る?

しめ飾り、門松、鏡餅など、お正月に飾られる飾りには様々なものがあります。
こうしたお正月飾りを一体いつまで飾るべきか?迷われている方もたくさんいらっしゃることでしょう。

ネット上では様々な「ゆがんだ決めつけ」が散見されますが、この記事では、こういったお正月飾りは一体いつまで飾るべきなのか、お正月の専門調査機関「日本正月協会」としての公式見解として、最もふさわしい答えをお教えいたします。

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「お正月飾りはいつまで飾ればいいか?」のネット上の安易な結論を信じるのはやめましょう。

正月飾りはいつまで飾ればいいか?まずは要点から申し上げます。

「お正月飾り いつまで」などの語句で調べると、まことしやかに「門松としめ飾りは1月7日まで」「鏡餅は1月11日まで」「どんど焼きがおこなわれる1月15日まで」といったように結論づけているネット上の記事が多数見られます。

これらの情報を安易に信じるのはやめましょう。

なぜならば、こうした「お正月飾りをいつまで飾るか?」は、地域ごとに結論が違います。「地域ならではの答え」があってよいのです。どこか一つの地域においての正解があったとしても、それが他の地域での正解とは限りません。色々な答えがあってよいのです。

ネット上の安易な「お正月飾りをいつまで飾るか?」の結論を信じてしまうことによって、このような「地域ならではの文化」が失われていきます。これは、文化を消滅させる危険な行為です。

ですから、結論を申し上げると、
「地域のやり方に合わせた日時まで飾るのが最もふさわしい。」
ということになります。

「お正月飾りはいつまで飾ればいいか?」の目安

「地域のやり方に合わせた日時までがふさわしい」とは言われても、このページをご覧になっている方は、目安としての基準がお知りになりたいことでしょう。「門松としめ飾りは1月7日まで」「鏡餅は1月11日まで」「どんど焼きがおこなわれる1月15日まで」といったネット上の情報は、目安としては有用かもしれません。しかし、先ほど申し上げたとおり、地域によって結論は異なります。

私ども日本正月協会は、全国各地のお正月の過ごし方を、調査・研究している研究団体ですので、全国各地で様々な「お正月飾りはいつまで飾ればいいか?」の答えがあることを把握しています。

具体的には、「三が日中だけ飾る」「1月7日まで飾る」「1月14日まで飾る」「旧正月まで飾る」「年末まで一年間飾って、年の最後に取り替える」などがあります。また、そもそも「飾り替えない」という考え方もあります。

どれもみな、間違いではありません。それぞれの考え方があります。

日がわりおみくじあります

「お正月飾りはいつまで飾るか?」のオススメ

 日本正月協会としてオススメするのは、「どんど焼きで燃やせるタイミングで取り替えること」です。

これはなぜかと言うと、まず、1つ目の理由として、いわれとして、「お正月飾りは、歳神様が依り代とする目印であり、年明けとともにお正月飾りを目印に家にやってきて、どんど焼きで燃やされて帰っていく」といういわれがあることが理由です。

しかし、日本中のすべての地域で通用する考え方ではありません。

もう一つの理由として、「どんど焼きという文化の面白さを継承させていくには、やはり正月飾りを燃やす体験があった方がいい」という、文化の面白さを継承させる目的があります。

お正月の日本一を決める正月の殿堂。2020年は山梨県。2021年は奈良県。

「お正月飾りを○月○日に外すと縁起が悪い」といういわれはあまり聞かれない

では、逆に、「○月○日にお正月飾りを外すと縁起が悪いからそれ以外にした方がいい」という、消去法的・逆算的な考えでのオススメがあるか?と申しますと、これは日本正月協会のこれまでの調査では聞いたことがありません。

「仏滅だと悪い」とか、そういう話をまだ聞いたことがありません。

「飾るタイミング」では「九(く)のつく日は苦になるからダメ」などのいわれが聞かれますが、外す日についての「縁起の悪さ」は、これまでに聞いたことがありません。

結論としては、「いつ外しても縁起が悪くなることはない」ということになるのではないでしょうか?

(今後の調査で新たな発見がなされたら、追ってご報告いたします。)

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日本はもともと、「藩」ごとに大きく特徴の違う文化が育ってきた。

日本というのは、もともと「藩」という別々の国として成り立っていたものを、一つの国にまとめ上げた国です。ですから、「藩」ごとに、様々な部分で、考え方が異なっています。これらを無理矢理一つの意見や考え方に束ねることはできませんし、してはならないことです。

「藩ごとに文化が違う」という多様性を受け入れることこそが、これからの時代において大切なのです。

お正月の日本一を決める正月の殿堂。2020年は山梨県。2021年は奈良県。

「お正月飾りはいつまで飾るか?」についても、地域ごとの特徴や、多様性を大事にしましょう。

例えば、「年間を通して正月飾りを飾る地域」というのを全国各地で確認しています。そういった地域では、「年末で飾り替え、翌年のお焚き上げやどんど焼きで燃やす」といった文化が根づいています。
このような地域であれば、「年末まで飾る。年末で飾り替える。」が最もふさわしいやり方です。

その一方で、「旧正月まで飾る」という地域があることも把握しています。
旧正月というのは、現在の暦では毎年違った日付になりますが、遅いときで2月19日ごろになります。前年の年末頃から、2月19日まで、およそ二ヶ月間飾るわけです。

その他にも、「松の内まで飾る」「小正月まで飾る」と、様々な考え方で、飾る時期にも地域ごとの多様性があります。

この中のどれかが間違っている?そんなことはないのです。

大事なのは、「多くの地域でやっていることが必ずしも正しいというわけではない」ということ。大事なのは「多数の意見」ではありません。「多数の意見は正しく、少数派の意見は間違っている」という考え方は、文化を消滅に導きます。文化としての魅力を失わせます。ぜひ、そういった考え方をお持ちにならないで下さい。

「ネットで検索上位に来ていた意見は正しい」と考えることも、これと同じことです。ネットの検索上位というのは、「多数の意見」と同様に、強力で、目立つ意見です。しかし、これが必ずしも正しいとは限らないのです。

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正月飾りはいつまで飾ればいいか?まとめ

話をもう一度元に戻しましょう。

「お正月飾りをいつまで飾るべきか?」
このテーマの答えは、「地域との関わりの中で、あなた自身が見つけ出した答え」それこそが最も正しいのです。

日本は、藩に由来し、地域ごとに文化の発展してきた経緯が異なっており、「お正月飾りはいつまで飾るか?」についても、色々な意見や考え方があります。それを尊重することが正しいことで、ただ一つの答えだけを正しいと思いこむことは大きな間違いです。

ぜひ、地域との関わりの中で、あなたが「これが一番正しい」と思った「お正月飾りはいつまで飾るか?」の答えを、子どもにも、孫にも伝えてあげて下さい。それが文化の継承や多様性の保護につながる最も正しい答えです。

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更新履歴

  • 2021年05月12日 加筆・修正
  • 2021年03月16日 初稿公開
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