お正月は、日本を代表する年中行事であり、一年最大のハレの日。そして、日本が世界に誇るべき伝統文化です。
お正月は日本における最も重要な伝統行事の一つであり、新年を祝う特別な期間です。この記事では、お正月の由来や慣習、伝統的な食べ物、そして現代のお正月の過ごし方について紹介します。また、お正月に関する興味深い事実や面白い情報も含まれています。
お正月の由来と意味
お正月は、日本の歴史的な祭りや宗教的な要素から発展してきました。元々は神聖な期間とされ、新年を迎える際には神社や寺院での祈りが行われました。現代では、その意味合いは変わりつつありますが、家族や親しい人々と過ごす大切なひと時として重要視されています。
正月という言葉の由来
江戸時代生活文化事典(上)によると、正月という言葉の由来が次のように書かれています。
正月【しょうがつ】〈名目由来〉〔年中重宝記・一〕に次がある。一年十二ヶ月の初月を一月と言わず正月と言うのは、一年中の始めの月なので 「王者正に居る」の意をとり、唐虞の代より起る。(中略)正月と名付るのは秦の始皇帝は寅月の誕生で、この月をもって専ら政道を行うので「政月」といい、政の旁の「文」はかざりゆえ正に改めた(『埃嚢抄』)。
江戸時代生活文化事典(上)【AD】
つまり、この文献によると、正月という言葉は「秦の始皇帝の君臨を示す中国由来の言葉」であるものと考えられます。
お正月は一説には縄文時代から続いている
ヲシテ文献には、この時代のお正月の様子が記録されており、特に「ホツマツタヱ」「ミカサフミ」の「トシウチニナスコトノアヤ」の項には、中国文化伝来以前のお正月の過ごし方についての一連の様子が記録されています。これらの文献の真正性については議論の余地があるものの、これらの記述によれば、中国文化が伝来するよりも前(おそらくは縄文時代)から、お正月の文化は日本固有の文化として受け継がれてきたものと考えることができます。
お正月の多様性とその要因
お正月の文化は、地域ごとに様々な違いが見られます。お正月の文化に多様性がある要因としては、以下のような理由が挙げられます。
- 社会階級や職能による違い(天皇、大名、士農工商など)
- 宗教、宗派による違い(修験道など)
- 地域間の競争関係による分化(隣のムラや藩に負けないよう切磋琢磨)
- 土着信仰や風土の影響(地域の出来事が起源、地域の食べ物が影響、など)
このように、長い歴史を積み重ねて育ってきた「お正月」という文化は、日本らしさを体現する日本の宝です。
地域ごとにお正月料理やお雑煮の種類も豊富です。
2月~12月の様々なお正月
正月という言葉は、こんにち(2023年現在)では、上記のように、「新年祝いの風習」を指す言葉として使用されていますが、西欧文化が流入してくる前の日本では、より広く「休暇」をあらわす言葉として用いられていました。
当協会が2023年11月に発表した「お正月の本 みんなのお正月全集2023」には、2月~12月の様々な○○正月の研究ノートを掲載しており、一読の価値があります。
みんなのお正月全集2023は、以下のリンクよりお求めいただけます。
日本正月協会がこれまでに発見してきた様々な○○正月の例
2月 | 松の正月、猫の正月、キシュウ正月、 山の正月、二月正月、二の正月、 送り正月、シテ正月、オトボ正月 |
3月~11月 | 取越正月 |
春頃 | 花見正月 |
4月 | 田うない正月、種まき正月 |
5月 | 苗ふり正月、摘み田正月、祝い盆正月、 ユリコ盆正月、ノウマエ正月(農前正月) |
6月 | サナブリ正月、ノウマエ正月、手休み正月、年浴正月 |
7月 | 半夏正月、シメリ正月、植え田正月、農正月 |
夏 | 陽気正月、オシメリ正月、 タウナイ正月、タネマキ正月 |
旧暦8月 | 八月正月、節正月(アラセツ) |
9月 | 荒れなし正月、八朔正月 |
旧10月 | ミアリ正月 |
11月 | 祝い直し正月 |
12月 | おとも正月、水こぼし正月、仏の正月、十三正月 |
旧12月 | 七島正月 |
お正月の伝統的な慣習
お正月には様々な伝統的な慣習があります。年越しそばを食べることで一年の健康を願ったり、初詣でで神社を訪れて厄払いを行ったりするのが一般的です。また、門松やしめ縄を飾ることで、邪気を払い新年を迎える準備を整えます。
下記の記事は、外国人に日本のお正月の伝統文化を伝える時に役立ちます。
お正月の伝統行事
お正月には、全国各地で様々な伝統行事が開催されます。その一例を以下にご紹介します。
お正月の食べ物
お正月には特別な料理が楽しまれます。おせち料理は、その代表的な例で、数々の具材が詰め込まれた重箱に入れられます。これらの料理には縁起を担ぐ意味が込められており、家族で囲む食卓が新年の始まりを祝福します。
現代のお正月の過ごし方
現代の日本では、お正月の過ごし方も多様化しています。伝統的な行事に加え、友達や家族と一緒に過ごすことも一興です。また、近年では観光地でのイベントや初日の出観賞など、新しい形のお正月の楽しみ方も広まっています。
お正月の調べ方
以下より様々なお正月情報を調べることができます。
※クリックでその地域に移動します。スマートフォンの方は下のリストからどうぞ。
お正月の用語集もございます。
お正月に関する面白い事実
お正月にまつわる興味深い事実もいくつかあります。例えば、正月三が日には全国各地で様々なイベントが催され、多くの人々が賑やかな雰囲気を楽しんでいます。さらに、おみくじや福袋など、縁起物もお正月を特別なものにしています。
日本正月協会の正月やその文化の多様性に対する立場
このように、近代的には、お正月は、日本の新年祝いを表す言葉ですが、1,000年以上の歴史を持ち、日本ならではの発展を遂げた、食・行事・遊び・芸術などのパッケージとなった文化です。その魅力は海外に十分に知られておらず、また、近代化によって文化に対する意識も薄らいでいることから、その啓発と後世への継承を目的とし、日本正月協会は組織されました。
インターネットやメディア上では、様々な情報が飛び交っていますが、前述のように、日本のお正月は地域ごとに多様性に富んだ文化を持っており、「正月とは1月のある一定期間である」や「正月とは日本の新年祝いである」といったようなある一つの解釈が、必ずしも正しいとは限りません。
ある一つの答えにスポットを当て、それがさも普遍的かつ全体的であるかのように語り伝えることは、少数派文化を切り捨て、文化の均質化と消滅を招く、大変危険な思想の流布だと考えております。
日本正月協会は、文化の多様性を尊重し、保護し、次世代に継承していく社会こそ、そのあるべき姿だと考えており、「ある一つの答えが正しい」とするような思想の流布を歓迎しておりません。
まとめ
お正月は日本の文化において欠かせないイベントであり、その伝統や慣習は多くの人々に愛されています。新しい年の始まりを祝い、家族や友達と共に過ごすことで、良い年になる予感がします。伝統と現代の融合が楽しめるお正月、ぜひ心ゆくまでお楽しみください。
<この記事を書いた日本正月協会とは?>
わたしたち日本正月協会は、正月行事、正月料理、正月遊び、正月飾りなど、お正月の文化を研究し、継承・発展させる団体です。代表者である今成優太を筆頭に、日本全国47都道府県を訪問しながら調査活動をおこなっています。
また、2022年ドバイ万博や、2025年大阪・関西万博など、海外に向け日本の伝統文化としてのお正月の魅力の発信にも注力しています。