「SDGsと近代化の臨界点 ~東洋と西洋の転換点~」2022年協会長年始の挨拶

スポンサーリンク

2022年協会長年始の挨拶「SDGsと近代化の臨界点 ~東洋と西洋の転換点~」

福岡県朝倉地方のお雑煮「蒸し雑煮」
福岡県朝倉地方のお雑煮「蒸し雑煮」

 2021年は、2020年に引き続き、新型コロナウィルスに世の中が大きく悩まされた一年でありました。日本正月協会は、2021年中、取り立てて大きく飛躍的な進歩を遂げたわけではなく、地道にコツコツと成長と発展を遂げてきた一年でありました。

 2021年末から急遽、世界的な流行を見せ始めた新型コロナ「オミクロン株」により、2021年末~2022年始にかけての期間がどうなるか、全く読めない状態となりました。ただ、私観といたしましては、この変異株が大きく流行するようであれば、コロナとの戦いはまだまだ続き、この変異株があまり流行らなければコロナは収束していく、2022年のお正月は、そのような分岐点としてのお正月であるように感じています。

 しかし、このような疫病の流行の分岐点であるだけではなく、我々地球人類は今まさに、様々な「臨界点」「転換点」に立たされていると、私は考えています。

日本正月協会 総理事長 今成優太 プロフィール

日本正月協会 総理事長
日本正月協会 代表

 日本正月協会認定 正月アドバイザー®。群馬県渋川市出身。20歳の頃訪れたイタリア伝統美術のあり方にカルチャーショックを受け、日本の知られざる伝統文化を世界に普及したいと考えるように。その後、グラフィックデザイナーの仕事を続けながら47都道府県を踏破。2017年の海老一染太郎氏の逝去をきっかけに、日本の伝統文化としての「お正月」の魅力を世界に普及すべく、2018年より活動を開始する。調理師免許ほか多数の資格を有する。縁起物デザイナー(縁起物デザイン事業はこちら)や、YouTuber「ミスターお正月」としても活動中。

メディア掲載歴

みんな見てるよ。獅子舞ユーチューバー

SDGsと近代化の臨界点

 地球はいま、生産主導の近代化が臨界点に達し、次なる時代への転換点に立たされていると肌身に感じています。「エシカル」「サスティナビリティ」といった言葉が徐々に聞かれるようになっていますが、単なる生産性の向上はすでに企業には求められておらず、地球環境への負担を減らしながらの、社会全体の持続可能性を保ち続けるための取り組みが求められつつあります。

◆参考/「エシカル」「サスティナビリティ」
https://www.env.go.jp/guide/…/20210811.html

 私は昔から地球温暖化への関心が高く、グレタ・トゥーンベリさんほどではないものの、幼少期からゴミの分別にはうるさかったものです。「なぜ、私の家にはゴミ箱が一種類しかないのか?これでは分別ができないじゃないか。」と家庭のゴミに対する意識の低さを疑問に感じ、主張をしても、オトナはそれをすんなりとは受け入れません。社会が、社会人たちが、その培ってきた生き方を変えていくことは簡単ではないのです。まず行政や企業が変わり、それにようやく個々人の意識が追従していくことで、ようやく少しずつ社会が変わっていく。そのような社会変容の様を、私は永きに渡って体感してきました。

◆参考/グレタ・トゥーンベリ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3…%83%AA

海洋プラスチックごみ
海洋プラスチックごみ

 しかし、地球環境は、もはやそのような長い目で人々の成長を暖かく見守ってくれる時代ではなくなっています。相次ぐ自然災害を見ればおわかりの通り、われわれ人類は「ただちに」の変化を求めていかなければ、人体にすら影響を及ぼす時代に生きています。

 新型コロナの流行は、生産主導の近代化に、否応なしに待ったをかけ、社会を、経済を、強制的に停止させ、人々に価値観の強制的な変更を促しました。いわばそれはもはや「警告」ではなく「実行段階」としての、自然界からの挑戦状ではないかと私は受け止めています。私はこの挑戦状を、消極的にではなく、積極的に、前向きに受け止めていこうと考えています。

 2021年に私が受けたおせちに関する取材の中で、私は、「ところで、明治以降の近代化によって、温暖化による気候変動が起き、近年、様々な『不吉な自然災害』が増えていることを考えると、私は、このような五節句のいわれは『単なる迷信』ではなく、やはり、なくしてはならない文化だったのではないかと考えています。」とお答え致しました。

◆参考/まいどなニュース ”365日「お正月」をしている日本正月協会に「おせち料理の定義」を聞いてみた
https://maidonanews.jp/article/14480382

 日本は、明治時代に、大きな価値観の転換が迫られ、それ以前、つまり江戸時代までの価値観と異なる価値観を受け入れて転換し、経済的に大きな発展を遂げてきた経緯があります。この取材記事の補足として私が主張したいのは、その明治期の転換後の価値観による社会発展が行き詰まりを見せているのが今の時代であるので、転換前の江戸時代以前の価値観を改めて見直すべき時代に差し掛かっているのではないか?ということです。

Webで誰でも無料受検。小学生でもわかる。正月アドバイザー検定(お正月検定)

SDGsとは、「もったいない精神」である

「エシカル」「サスティナビリティ」「SDGs」「多様性」「持続可能性」

 最近よく聞かれるこれらの言葉、なにか複雑で、よくわからない言葉が並んでいるとお感じになる方も少なくないでしょう。しかし、日本人は、これらの精神性をたった一語で言い表す言葉を、ずっと昔から使っています。それは、「もったいない」という言葉です。この「もったいない精神」を、色々な考え方で深く追求した結果生まれたのが、「エシカル」「サスティナビリティ」「SDGs」「多様性」「持続可能性」このような謎めいた言葉であるものと、私は考えています。

 2004年12月、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、故・ワンガリ・マータイさん。彼女は、日本のテレビCMの中でも、「Mottainai」という言葉を使い、環境問題に警鐘を鳴らしていました。「もったいない」という精神性を見直すべきだと、十年以上前から説いていたのです。

◆参考/ワンガリ・マータイ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3…%A4

私の言葉で言えば、「SDGs」とは、この「もったいない精神」を、あらゆる社会問題に適用した主張です。

「人がいるのに、もったいない。」
「物があるのに、もったいない。」
「仲良くなれるのに、もったいない。」
「できることがあるのに、もったいない。」

このような「もったいない」の精神性を、より具体的な状況に適用し、社会全体の目標としたものが「SDGs」ではないかと、私は考えています。

お正月の日本一を決める正月の殿堂。2020年は山梨県。2021年は奈良県。

「東西文明800年周期説」西洋主流から東洋主流への転換点

 このように、社会や企業に求められているものはすでに、「経済性の追求」ではなく、「もったいない精神を重んじた生産活動」というように変わりつつあります。でも、思い返してみてください。「もったいない精神を重んじた生産活動」というのは、とても昔ながらの、古き善き日本の感覚ではないでしょうか?

 そうなんです。明治時代の西洋化によって失われた「古典的な日本の価値観」が、今まさに必要とされている時代なのです。

 東西文明800年周期説というのがあります。これは「東洋が世界の主流を占める時代と、西洋が世界の主流を占める時代とが、800年周期で繰り返されており、現在はその転換期にある」との考え方です。国際経済において、中国は徐々にその力を増してきていますが、これもこのような「東洋と西洋の転換点」の流れの一つではないかと考えられます。

◆参考:文明法則史学 [文明800年周期説]
http://bunmeihousoku.com/

◆参考:東西文明800年周期説を知れば世界の未来が大筋でわかるようになります
https://www.amazon.co.jp/review/ROZEZ4DZVPMEF

2022年の挨拶まとめ

日本正月協会 本部予定地
日本正月協会 本部予定地

 日本の古くからの考え方である「もったいない」という精神性は、「SDGs」といった新たな価値観に変貌を遂げ、今も連綿と生き続けています。このように、一見して古めかしい日本古来の価値観を、温故知新の精神のもと、改めて見直すべき時代にきています。

 「お正月」は、このように見直されるべき東洋文化の象徴的なものの一つです。我々日本正月協会の活動は、このような古くて新しい価値観を、「お正月」という伝統文化を起点として見直し、再構築していく、温故知新の活動です。具体的には、年賀状を活用したSDGsの活動など、既存の枠組みにとらわれない視点で伝統文化を見直し、未来に向けて発展させる取り組みを行ってまいります。2022年もぜひ、日本正月協会の活動にご注目いただくとともに、皆様にも積極的なご支援・ご協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

2021年12月06日 日本正月協会 総理事長 今成優太

Webで誰でも無料受検。小学生でもわかる。正月アドバイザー検定(お正月検定)

2021年の挨拶からの反省

2021年の挨拶、見出しは以下のようなものでした。

【新しい生活様式でのお正月】~伝統文化の継承に本当に必要なものとは?~
 ・「温故知新」と「懐古」との違い
 ・継承すべきは「本質」であって「形式」でない
 ・「ヤマンバギャル×獅子舞」なら、あってもいい。
 ・新しい生活様式によって失われるものが「本質」でなければそれでよい

https://www.oshogatsu.org/president-message2021/

ヤマンバギャルのような獅子舞って、割とあるモノだなぁと思わされました。獅子舞と傘回しを同時におこなうような芸も、よく調べるとありました。日本文化の奥深さを改めて思い知らされる一年でありました。

2022年の目標・計画

※現在執筆中

更新履歴

  • 2021年12月06日 2022年分に変更
  • 2021年08月05日 代表写真 追加
  • 2020年12月16日 2021年分に変更
  • 2019年01月01日 2019年分を公開
あなたのお正月の話募集中
QUOカード当たります

コメント